≪前編≫のつづき
ではこの「遺言」、ホントにあった方がいいのでしょうか?
そこで、「遺言」が「ある場合」と「ない場合」を比べてみます。
まず「ない場合」には・・・
財産の所有者(=遺言を書く人)の意思表明がない以上、財産をどう分けるかは、
民法が規定する「法定相続分」を基準として「法定相続人全員」の話し合いにより
決定します。あくまで「全員の合意」が必要です。
この話し合いを、「遺産分割協議」と呼んでいます。
しかし、この「遺産分割協議」が、スムーズに進まない場合が多く、相続トラブルの
原因になるのです。
「同居し、介護までしたのに、他の相続人と均等に分けるのは不公平だ!」
「弟は私立の大学に進み、しかも留学までして、いくら費用をかけてもらったんだ!」
などなど・・・。両親がお元気な間には口にしなかった蓄積された思いが、「死」を境に
爆発してしまうことも。
他方、「ある場合」には・・・。
財産の所有者(=遺言を書く人)の意思表明がある以上、原則、「遺言」に記載されて
いる通りに分配することになります。
ということは、「遺産分割協議がいらない」ということです。
しかも、公正証書遺言であれば「裁判所での検認手続き」が不要ですので、
速やかに、不動産の名義変更や、預貯金の払い戻しが可能になります。
すなわち、「遺言」があることで、財産を所有する方の希望通りに分配でき、
しかも、相続人の方を「相続トラブル」に巻き込ませないようにできる、
そんな効果が期待できるのです。
みなさんにとって、「遺言」はあった方がいいものでしょうか?
ぜひ一度、お考え下さいね。
では最後に、「遺言の作成」を特にお勧めする方をまとめてみます。
ご参考に・・・。
①主な財産が不動産である方
②相続人への財産分配に差をつけたい方
③相続人「以外」の人に財産を残したい方
(長男のお嫁さん、お世話になった友人など)
④子供のいないご夫婦で、配偶者に全財産を残したい方
⑤離婚経験がある方
(前妻の「子供」は相続人です)
⑥経営者の方
(株式や事業用財産の分散は、スムーズな事業承継を妨げます)